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CPO レーベル~2025年7月発売新譜情報(9タイトル)

ワインガルトナー

CD(9タイトル)




■作品詳細

知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。

今回はワインガルトナーの交響曲全集(8枚組)が新装BOXにて再発売に、ミヒャエル・ハイドン:交響曲全集、管楽のための協奏曲集16枚組BOX、ライニッシェ・カントライによるロッシーニの小荘厳ミサ曲、ヨーゼフ・フォーグラーの交響曲「ラ・スカラ」と序曲集、ボストックとプフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団による弦楽のためのイギリス音楽集 第4集、カヴァッリの薫陶を受けた女性作曲家アントニア・ベンボの歌劇《恋するヘラクレス》など、CD9タイトルがリリースされます。

フェリックス・ワインガルトナー(1863-1942):交響曲全集、交響詩全集、ヴァイオリン協奏曲 他(8枚組)
マルコ・レトーニャ(指揮)バーゼル交響楽団、アラン・フランシス(指揮)南西ドイツ放送カイザースラウテルン管弦楽団

往年の名指揮者フェリックス・ワインガルトナーは、フランツ・リストに師事した作曲家でもあり、7曲の交響曲や管弦楽曲、いくつかのオペラや室内楽作品を残しています。彼の作品は師であったライネッケや、指揮者として度々取り上げたブラームスの影響を強く受けており、当時としては比較的明快な和声と堅固な構成を特徴としています。cpoレーベルからは、スロヴェニア出身でオトマール・スイトナーに師事した指揮者マルコ・レトーニャとバーゼル交響楽団による交響曲全集および管弦楽作品集がリリースされており、2014年には7枚のアルバムを収めた全集ボックスが発売されました。
今回のBOXセットでは、これらにワインガルトナーが1934年にシューベルトの未完のホ長調交響曲を補筆・完成させた作品と自作のヴァイオリン協奏曲をアラン・フランシスの指揮で収録した1枚(999424)を追加したもの。シューベルトへの深い愛情と作曲家としての力量が反映されたこの完成版は、ワインガルトナーの音楽世界を探求するうえで重要な位置を占めるものです。
※2014年発売の7枚組はSACDハイブリッド・ディスクでしたが、今回は通常CDでのリリースとなります
(ナクソス・ジャパン)

ミヒャエル・ハイドン(1737-1806):交響曲全集、管楽のための協奏曲集(16枚組)
ボフダン・ヴァルハル(指揮)、ヨハネス・ゴリツキ(指揮)、フランク・ベールマン(指揮)、ラヴァー・スコウ・ラーセン、ヴォルフガング・ブルンナー(指揮)、スロヴァキア室内管弦楽団、ドイツ・カンマーアカデミー、ノイス・ドイツ・チェンバー・アカデミー、ザルツブルク・ホーフムジーク

このBOXには1991年から2015年にかけてcpoレーベルに録音されたミヒャエル・ハイドンの交響曲と管楽器協奏曲の全作品が収録されています。これらは当時のウィーンの音楽を知る上で大切なレパートリーであり、かつては彼の交響曲第25番がモーツァルトの交響曲第37番として誤認されていたほどの優れた才能を改めて感じることができるでしょう。他にも第23番の交響曲は均整のとれた格調高い名作であり、モーツァルトの「ジュピター」より10年近くも前に書かれた第22番の終楽章は4つの音を基本モティーフとするフーガで、彼がモーツァルトに大きな影響を与えたことが窺えます。協奏曲やディヴェルティメントでも、美しいハーモニーと巧みな独奏楽器の使用が味わえます。
BOXを再編するにあたり、膨大な資料を整理し、ブックレット(英語・ドイツ語)の解説の重複部分を削除、アーティスト写真も刷新されています。また作品番号はチャールズ・H・シャーマンらの年代順目録(MH番号)とローター・ペルガーのP番号が併記されています。
(ナクソス・ジャパン)

ジョアキーノ・ロッシーニ(1792-1868):小荘厳ミサ曲(2枚組)
エッツァルト・ブルヒャルズ(指揮)ライニッシェ・カントライ(合唱)、ドロテー・ミールズ(ソプラノ)、ニコレ・ピーパー(アルト)、ほか

【ドイツ・バロック音楽のスペシャリストたちによる清冽なロッシーニのミサ曲】
ロッシーニは晩年に書いたこのミサ曲について「これは老人の最後の大罪」と自嘲しつつも、「心を込めて書いた」と語っています。編成はソリストを含む最小で12名の歌手に、ピアノ2台とハルモニウムという室内楽的な規模。
この録音では主に合唱パートをなぞる第2ピアノを割愛し、その一部を第1ピアノに吸収する形で改変しています。注目は声楽陣。1977年に創設されたライニッシェ・カントライ(ラインの聖歌隊)はヘルマン・マックスの指揮でドイツ初期バロック音楽の録音をCAPRICCIOレーベルなどに多数行ってきたアンサンブルです。ここでは2024年から芸術監督を務めるブルヒャルズが指揮を執り、ヴィブラートを抑えた透明度が高く清冽なサウンドと精度の高いアンサンブルによって作品の印象を一新しています。ソリストたちは古楽での活躍が目立つ歌手が揃いますが、時にきわめて雄弁でスケールの大きなオペラ的な表現も取り入れており、清楚なだけに終わらない充実した演奏が展開されています。
(ナクソス・ジャパン)

ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(1749-1814):交響曲「ラ・スカラ」、序曲集
ハワード・グリフィス(指揮)ミュンヘン放送管弦楽団

ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(通称アベ・フォーグラー)は、作曲家や演奏家、教育者、発明家など多方面で才能を発揮し、旅を続けながら活躍した人物です。彼の弟子ウェーバーがロマン派オペラの初期様式を築いたのに対し、フォーグラーは主に作曲理論で評価されました。彼の作品はオペラから交響曲まで多岐にわたりますが、ここに収められた3作目の交響曲ハ長調「ラ・スカラ」は、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」を思わせる対位法を駆使した作品です。この交響曲は1799年に完成し、1800年にコペンハーゲンで初演されました。マンハイム楽派の影響やバイエルン民謡の旋律を取り入れています。他には様々な歌劇の序曲を収録。熟達の作曲技法による華麗な音楽です。
(ナクソス・ジャパン)

弦楽のためのイギリス音楽集 第4集 - ジェイコブ、ダンヒル、I.ホルスト、ブッシュ、ピットフィールド、A.ギブズ
ダグラス・ボストック(指揮)プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団

ダグラス・ボストック指揮、プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団による「弦楽のためのイギリス音楽集」。第4集ではホルストの娘イモージェンを含む6人の作曲家の作品を紹介します。イモージェンの『組曲』は、グレインジャーや父ホルストの影響を受けた自由な拍節やポリフォニックな書法、複雑な和声が特徴で、終楽章「ジグ」は多調を用いた技巧的な内容となっており、ヴァイオリン・ソロも効果的。指揮者ボストックは本作を「驚くべき発見」と称賛しています。ジェイコブの『デンビー組曲』はバロック舞曲に基づく親しみやすい作品、ダンヒルの『ヴェクティス組曲』はワイト島の古名にちなんだ英国らしい風景を想起させる音楽です。ブッシュは、ベネットのピアノ・ソナタ「オルレアンの乙女」を素材に編曲。ピットフィールドの『主題と変奏』は保守的ながらも構造の緻密さが光ります。最後のギブズの『影と輝き』は晩年の作で、2006年に初出版。親友ヴォーン・ウィリアムズの影響とともに、ギブズならではの旋律と抒情が凝縮されています。
(ナクソス・ジャパン)

アントニア・ベンボ(1640-1720):《恋するヘラクレス》(2枚組)
イェルク・ハルベック(指揮)イル・グスト・バロッコ(古楽器使用)

【ヴェネツィアに生まれてカヴァッリの薫陶を受け、ルイ14世下のパリで才能を開花させたアントニア・ベンボ。そのオペラが鮮やかによみがえる】
アントニア・ベンボは1640年頃ヴェネツィアの医者の娘として生まれ、当時のオペラ作曲家として有名な存在だったフランチェスコ・カヴァッリの下で音楽の高度な教育を受けました。1659年にはヴェネツィアの名家出身の夫と結婚したものの平穏な生活は送れず、1676年になって駐仏ヴェネツィア大使の使節団に音楽家として加わり、パリへと旅立ちました。その音楽の実力からルイ14世の寵愛を受け、王室から年金を与えられただけでなく、修道院に居住を許されて1720年に世を去るまでそこで暮らしながら、聖俗さまざまな作品を書いてルイ14世に捧げました。
《恋するヘラクレス》の台本は、1660年にルイ14世の結婚の祝賀行事のための作品としてカヴァッリに依頼されたもの。なぜベンボが1707年になってこの台本に曲を付けたのかは定かではありませんが、英雄ヘラクレスはルイ14世を示すものであることから、この作品も国王に捧げたものと思われます。イタリア音楽とフランス音楽の要素を融合させたこのオペラは、いかにもフランス的な序曲からはじまり、イタリアの技巧的アリアとフランス的な合唱が組み合わされています。しかし、ベンボがルイ14世のために力を注いだオペラだったにもかかわらず、自らがダンサーであったルイ14世は、バレエを伴わないイタリア的なオペラに興味を示さず、このオペラは上演されることがありませんでした。
2023年になってこの作品を取り上げたのは、ドイツの気鋭の鍵盤奏者ハルベック率いるイル・グスト・バロッコ。シュトゥットガルトを中心にヨーロッパの古楽演奏の最前線で活躍する古楽器アンサンブルです。ハルベックは近年、知られざる優れたバロック・オペラの復興に力を注ぎ、クッサーの《アドニス》などを現代によみがえらせています(CPO 555609)。この録音でも、タイトル・ロールを歌うヤニック・デブスやデイアニラを歌うアレーナ・ダンチェヴァらオペラや古楽の分野で活躍中の実力派歌手たちをまとめあげる見事な指揮ぶりで、ベンボのオペラを300年ぶりに生き生きと蘇らせました。
CDジャケット ジョヴァンニ・バッティスタ・フォッジーニ:ヘラクレスとイオレー(1710-1725)
(ナクソス・ジャパン)

ヘレーネ・リープマン(1795-1869):室内楽作品集 - 大ソナタ、ヴァイオリン・ソナタ、大三重奏曲
ゲルノート・ジュスムート(ヴァイオリン)、ラモン・ヤッフェ(チェロ)、モニカ・グートマン(ピアノ)

19世紀前半に活躍したドイツの女性音楽家ヘレーネ・リープマンは結婚前の姓リーゼや改名後の姓リーベルトで呼ばれることもあります。ユダヤ系銀行家の家に生まれ、若くして音楽的才能を認められました。ロンドンではフェルディナント・リースに師事し、今に伝わる20曲中7曲を当地で作曲しました。1819年にハンブルクで改名・帰化後、ピアノ演奏と作曲から退き、コンサート歌手としてのみ知られるようになります。1869年にドレスデンで没しました。彼女の作品11には、チェロとピアノのための大ソナタと大三重奏曲の2作が含まれています。ソナタはチェロが流麗なメロディを歌う作品。第3楽章はモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》からの主題による変奏曲となっています。三重奏曲は師リースに献呈され、家庭用ではなく演奏会を意識した大規模な作品です。ヴァイオリン・ソナタはウィーン古典派の様式を踏襲しながらも、ロマン派風の表現も見られ、優雅さと力強さが両立しています。
(ナクソス・ジャパン)

ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681-1767):4声または6声の6つの序曲(1736)
カレン・ファンヘールデン(指揮)オルフェオ・バロック管弦楽団(古楽器使用)

バロック期で最も多作な作曲家の一人テレマン。中でも管弦楽のための組曲(当時の呼称は「序曲」)は現存するだけでも約120曲あり、散逸したものを含めれば1000曲を超える作品を書いたとされています。ここに収録された「4声または6声の6つの序曲」は、1734年に出版が予告され、1736年3月に予約者を募集、同年ハンブルクで出版されると好評を博し、経済的に困難な状況にあったテレマンが立ち直るきっかけになったとされています。楽譜はプロイセン国立図書館に1部のみ伝わっていたものが戦争で焼失したとされていましたが、1999年にモスクワのロシア国立図書館で発見されました。
この曲集の楽譜に刻印されたフランス語によるタイトル、各声部のフランス語表記(Dessus, Haut contre,Taille, Basse)は、テレマンがフランス語を解するドイツの教養ある民衆を主要なターゲットとしていたこと、そして管弦楽組曲(序曲)という音楽形式が誕生したフランスへの売り込みも意識していたことを示しています。一方で彼の管弦楽組曲は、フランスの流儀を踏襲しながらもイタリアの協奏曲の要素も取り込み、またテレマンが諸国で収集した舞曲の要素までも加わっており、様々な国の音楽的要素の融合を強く感じることができます。曲ごとの楽器編成や舞曲の選択も多彩で、テレマンの練りに練られた管弦楽法を愉しむことができます。
結成から約30年あまり、古楽演奏の最前線で活躍してきたオルフェオ・バロック管弦楽団(ミヒ・ガイック主宰)は、テレマンやバッハといったバロック音楽から、マンハイム楽派、モーツァルト、そしてシューベルトの交響曲までをレパートリーとし、cpoレーベルを中心に40を超えるアルバムをリリースしています。世界各地でもコンサートを開催し、ザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭など世界的な音楽祭にも出演しています。この録音では、オーケストラの首席オーボエ奏者カレン・ファンヘールデンが指揮を取り、ファゴットには欧州で活躍する倉林麻貴子が参加しています。
CDジャケット フランソワ・ブーシェ:音楽の寓意(1764年)
(ナクソス・ジャパン)

ハンザ同盟の古都の音楽 第3集 - マクデブルク
マンフレート・コルデス(指揮)ヨーロッパ・ハンザ・アンサンブル(声楽&古楽器アンサンブル)

中世から17世紀まで続いたヨーロッパの都市による経済同盟、ハンザ同盟の時代の音楽を都市ごとに録音する好企画の第3弾。第1集「シュトラールズント」(555578)、第2集「グダニスク(ダンツィヒ)」(555647)に続く今作は「マクデブルク」の音楽を取り上げています。音楽史でマクデブルクと言えばテレマンの出身地として有名ですが、ここではテレマンの生まれる50~100年前に活躍した同地のカントールたちの音楽が収録されています。
宗教改革が始まる少し前、人口3万人のマクデブルクは、ハンザ同盟に加盟し、裕福な市民を数多く抱え、大司教座も有したドイツで最も繫栄した都市の1つでした。ルター本人が何度か説教を行ったこともあり、早くからプロテスタントの教育機関が設けられたこの都市では、ルターが布教のために重視した音楽の教育にも力が注がれました。マルティン・アグリコラ、ガルス・ドレスラー、レオンハルト・シュレーター、フリードリヒ・ヴァイセンゼー、ハインリヒ・グリムといったマクデブルクの初期のカントールたちの楽曲や著作は、その多くが印刷され、都市を超えてドイツ中に広まりました。こうしたカントールたちの名声によって同地の音楽家たちは「マクデブルク楽派」と呼ばれ、大きな尊敬を集め、音楽都市としての地位が築かれていきました。
ヨーロッパ・ハンザ・アンサンブルは、ハンザ同盟と音楽の関係を研究・発表することを目的に2019年に発足した古楽アンサンブル。母体となるプロジェクトにはヨーロッパ中から600人を超える若い音楽家たちが集い、毎年9月にハンザ同盟の中心的都市であったリューベックで音楽祭とマスタークラスを開催しています。16-17世紀にかけての北ドイツ音楽の演奏・研究のスペシャリストであるマンフレート・コルデスは、1993年にヴェーザー・ルネサンスを結成し、CPOレーベルなどに50枚を超えるCDを録音、その優れた演奏で、世界中から高い評価を得ています。ヨーロッパ・ハンザ・アンサンブルには指揮者・音楽監督として参加し、若い古楽演奏家たちを鼓舞しながら、そのポテンシャルを引き出したすばらしい演奏を聴かせています。このアルバムでは、8人の歌手とヴィオラ・ダ・ガンバ、ツィンク、トロンボーン、ポジティフオルガンを曲によって組み替えて編成し、多彩な響きでマクデブルクの音楽家たちの作品の魅力を伝えてくれます。
CDジャケット マティアス・メリアン(父)(1593-1650)「1631年、ティリー伯の軍隊に包囲されたマクデブルク」
(ナクソス・ジャパン)

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カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2025年06月04日 18:00

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