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Naxos~2025年7月発売新譜情報(10タイトル)

マルシュナー

CD(10タイトル)




■作品詳細

今回は好評シリーズ、ダリオ・サルヴィの指揮によるマルシュナーの序曲と舞台音楽集第3集に、ホヴァネスのヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンのための作品集、カール・タイケの行進曲集第2集、現代ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフによる世界初録音の交響曲とヴァイオリン協奏曲、ワルシャワ出身の現代作曲家マルタ・プタシンスカの作品集、ブラジルの作曲家ロレンソ・フェルナンデスのピアノ作品集など、世界初録音を含むCD10タイトルがリリースされます。

ハインリヒ・マルシュナー(1795-1861):序曲と舞台音楽集 第3集 - 《エトナの城》《ルクレツィア》他
ダリオ・サルヴィ(指揮)ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団

マルシュナーは、ウェーバーとワーグナーの間をつなぐドイツ・ロマン派オペラの重要な作曲家であり、代表作《吸血鬼》《ハンス・ハイリング》で知られています。このアルバムでは、彼の中期から晩年にかけての作品を中心に収録しています。《エトナの城》は、ファウスト的な主題と超自然的要素を含むドラマティックな作品で、愛と野心の狭間で揺れ動く主人公ヴィルヘルムと、悪魔的な存在であるオルコ侯爵に運命を翻弄されるアーデルハイトの悲劇を描いています。特に第3幕の壮絶なクライマックスは圧巻です。《ルクレツィア》は、古代ローマの伝説を題材にした2幕構成の歌劇。マルシュナーは古代の雰囲気を目指しながらも、スポンティーニ、グルック、ドニゼッティ、ベッリーニといった作曲家の様式を折衷的に取り入れています。《ベブ(馬の子)》はインドを舞台にした風刺的な喜劇で、狡猾な奴隷ベブが主人の財産を奪うという筋書き。行進曲やバレエ音楽では、トリルやスタッカート、奇抜な装飾音がコミカルな雰囲気を醸し出します。《歌王ヒアルネ、またはティルヴィングの剣》は、北欧の『フリッチョフのサガ』に基づく神話的世界と政治的・恋愛的なドラマが融合した壮大な物語を扱った作品。序曲や各幕の舞曲などで、管楽器や弦楽器を巧みに用いた交響的な音楽が展開されます。第1幕第7場でのメンデルスゾーンを想起させる軽快な曲想も魅力的。《太鼓の前での婚約、あるいは忘れられた母》は、アダン、クレブス、ミュラーの作品を素材に構成された劇作品で、マルシュナーはアダンの《イヴトーの王》の序曲を編曲し、巧みに転用しています。
(ナクソス・ジャパン)

カール・タイケ(1864-1922):行進曲集 第2集
王立スウェーデン海軍バンド、アレクサンドル・ハンソン(指揮)

《旧友》が有名なタイケの行進曲を系統的に録音するシリーズ第2集です。軍楽隊に所属しながら作曲を志したタイケの行進曲には、軍楽の宿命として当時の政治体制や軍隊を讃え、士気を高めるべく書かれたものが多くあり、それらの中には後の政治状況の変化によって翻弄されたものもあります。このアルバムでは純粋に作品の音楽的価値に焦点を当て、見過ごされがちだった作品群の真価を問いかけます。
(ナクソス・ジャパン)

アラン・ホヴァネス(1911-2000):ヴァイオリン協奏曲第2番、ヴァイオリンとピアノのための作品集
ジーナ・シフ(ヴァイオリン)、ヴァレリー・スターク(ピアノ)、アヴラナ・アイゼンバーグ(指揮)ザルツブルク・チェンバー・ソロイスツ

アラン・ホヴァネスは、アルメニアとスコットランドの血を引く作曲家で、東洋音楽や古代宗教音楽の影響を受けた瞑想的な作風で知られます。CD時代初期には、録音されたクジラの声と壮大なオーケストラが共演する作品で注目を集めました。このアルバムは彼の没後25年を記念するもの。「ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲第2番」は7楽章の作品で、トーン・クラスターや、ヘンリー・カウエルによって広く知られるようになった「センツァ・ミズーレ(厳密な拍子をとらずに演奏)」などの特殊奏法を採り入れ、幻想的かつ即興的な効果を追求しています。『キルギス組曲』は、中央アジアのキルギス文化に触発された作品で、「変奏曲」、15拍の複雑なリズムをもつ「ターラ」、躍動的なフィナーレの3楽章で構成されています。『聖メスロブの三つの幻影』は、アルメニアの聖人に捧げられており、即興性に富んだ歌うような旋律を駆使し、神秘的な世界を描いた作品。他には東洋的な雰囲気を持つ旋律から始まり、舞踊的な展開を経て、劇的に終わる「夢」、プロヴァンス地方の風景を音楽で描写した「レ・ボー」、アルメニアやスコットランド的な旋律が織り込まれた「ヴァイオリン・ソナタ」など特色ある作品が収録されています。演奏するジーナ・シフはハイフェッツの弟子でカーティス音楽学校卒、アメリカ近代作品を得意とするベテラン・ヴァイオリニスト。
(ナクソス・ジャパン)

世界初録音
ヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937-):ヴァイオリン協奏曲、交響曲第8番
クリストファー・リンドン=ジー(指揮)リトアニア国立交響楽団、ヤヌシュ・ヴァヴロフスキ(ヴァイオリン)

※国内仕様盤には小室敬幸氏の日本語解説が付属します。

【現代ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェストロフによる世界初録音の2作品】
ヴァイオリン協奏曲はシルヴェストロフの「バガテル期」(2003〜2017年)の集大成であり、「瞬間」と「記憶(追憶)」という二つの原理に基づく作品。1990〜91年作曲の「ヴァイオリンと管弦楽のための交響曲」の姉妹作でもあるこの曲は、ベートーヴェン的な親密さと簡潔さを備え、より内面的で詩的な音楽へと向かう「終わりではなく始まりに向かって開かれる形式」として展開されます。冒頭の暗いオーケストラの主題は、やがてヴァイオリンの内省的な旋律へと変化し、両者の対話を通じて次第に抒情性が深まっており、こうした表現は第3楽章「パストラール」や、ピアノ独奏がヴァイオリンの軌跡を追うように重ねられる終楽章「セレナーデ」において特に際立っています。静寂の中から生まれ、再び静寂へと還っていく存在の美しさと深さを静かに表現する音楽です。交響曲第8番は、伝統的な形式に拠らず「一連の瞬間」として構成されており、全6楽章が切れ目なく続くモザイクのような流れが形づくられています。主題は常に変容しながら循環し、調性的な素材と非調性的な素材との対比によって音楽を形成、曲の構成要素には、下行するクロマティック・クラスター、マイナーコードの進行、上昇するスケール、ファンファーレ風のモチーフなどが含まれており、さらにピアノやハープ、木管楽器による短く儚い旋律的エピソードが随所に散りばめられ、これらは希望や記憶の断片のような印象を与えます。この作品は、人間の苦しみと再生への希求を同時に内包しており、最後の沈黙は絶望ではなく、深い瞑想と包容を意味します。
※国内仕様盤には小室敬幸氏の日本語解説が付属します。
(ナクソス・ジャパン)

マルタ・プタシンスカ(1943-):冬物語、合奏協奏曲、マンカーラ
マリウシュ・スモリー(指揮)ショパン大学室内管弦楽団

マルタ・プタシンスカはワルシャワ出身の作曲家・打楽器奏者で、ポーランド、フランス、アメリカで研鑽を積み、ルトスワフスキ、ブーランジェ、メシアンらに師事しました。マリンバ協奏曲や《風の声》をはじめとする打楽器作品やオペラで高い評価を受けており、シカゴ交響楽団やポーランド国立放送交響楽団のほか、世界中の演奏家から委嘱を受けています。ISCMやザルツブルク音楽祭などでも作品が紹介され、1998年からはシカゴ大学で教鞭を執っています。収録曲の「冬物語」は、1985年にリスボンで初演された室内管弦楽作品。シェイクスピアではなく、シュルレアリスム絵画に着想を得た幻想的な音楽です。ヴィヴァルディの「冬」の要素を取り入れながらも、夢と現実が交錯する独自の音響世界が展開されています。他にはユーディ・メニューインの80歳を祝して作曲された「合奏協奏曲」、古代エジプトの数字遊びに由来する「マンカーラ」、2008年の国際ハープ・フェスティバルで初演された「フルートとハープのための二重協奏曲」、静謐な雰囲気を持つ「エウリディーチェの夢」、静と動、対照的な2つの楽章を持つ「SE-TA」を収録。
(ナクソス・ジャパン)

ロレンソ・フェルナンデス:ピアノ作品集 - ブラジル組曲、ソナチネ形式の3つの練習曲 他
クレーリア・イルズン(ピアノ)

ロレンソ・フェルナンデスは、ヴィラ=ロボスやミニョーネと並ぶブラジル音楽の革新者であり、ベートーヴェン、ドビュッシー、ワーグナーの影響を受けつつ、ブラジル固有のリズムや響きを取り入れた多彩な作風で知られます。交響曲や歌劇、ピアノ曲、室内楽など幅広いジャンルで作品を残し、教育者としてもブラジル音楽院の創設に尽力しました。彼のピアノ曲は描写的で短く、子供向けの作品も多く含まれます。 「ブラジル組曲」第1〜3番は、民族的な要素と独自のテーマを組み合わせ、豊かな響きと旋律が光る名作です。第1番は田園的な雰囲気から都会的なセレナードへと展開し、第2番では終曲「カテレテ」に民俗舞踊の活力が感じられます。第3番はさらに複雑で神秘的となり、アフリカ起源の「ジョンゴ」の力強いリズムが高揚感を生み出します。代表作「ソナチネ形式の3つの練習曲」では、ショーロの影響や変拍子、打楽器的奏法が見られ、「町外れのワルツ」ではバッハへの敬意がポリフォニーに表れます。「ソナタ・ブレーヴェ」は3楽章から成るフェルナンデス最後のピアノ独奏曲で、簡潔ながら演奏者に高度な技巧を求める実験的な作品です。印象派風の色彩豊かな音世界が描かれた初期の作品「夢」、「夕暮れの前奏曲」も聴きどころです。ニュアンスある演奏を披露するのは、ロンドンを拠点とするブラジル人ピアニスト、クレーリア・イルズン。ネルソン・フレイレらと共演し、ミニョーネやノブレから作品を献呈されるなど国際的に活躍しています。
(ナクソス・ジャパン)

ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史 第7集 - アロイス、ヴィンクラー
ブラームス・トリオ

NAXOSの人気シリーズ「ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史」。前作(8.574687)に続く“銀の時代”と“アール・ヌーヴォーの時代”の2人の作曲家の作品です。
ヴラディスラフ・アロイスは、チェコ出身でロシアで活躍したチェリスト・作曲家。彼のピアノ三重奏曲は、キエフ音楽院の院長でピアニストのプハルスキーに献呈されており、旋律美と情感の豊かさからアレンスキー作品にも匹敵すると評されます。1895年に初演され成功を収めたものの、次第に忘れられました。調性や形式においてロマン主義的価値観を守り、ドイツ・ロマン派の影響が色濃く表れた作品です。アレクサンダー・ヴィンクラーは、ロシア帝国で活躍したオーストリア系の作曲家・ピアニスト。教育者としても活躍し、プロコフィエフらを育てた名教師として知られます。このピアノ三重奏曲は、古典的な4楽章構成で書かれ、複雑な対位法と印象派的響きが用いられており、終楽章では革命的な行進曲を思わせる旋律が現れるなど多彩な表現が融合した力作です。西欧的な洗練とロシア的精神が交錯するこの作品は、ヴィンクラーの芸術性を示すものであり、彼の再評価のきっかけとなることでしょう。
(ナクソス・ジャパン)

一部世界初録音
マヌエル・ブランカフォート(1897-1987):歌曲全集 第2集 - 山の歌、子供の歌、カタルーニャの伝統的な歌 他
アンナ・アラス・イ・ホーベ(メゾ・ソプラノ)、ミケル・ビリャルバ(ピアノ)

ブランカフォートは、バルセロナ近郊の温泉町で育ち、父が経営するピアノ・ロール工場を通じて芸術と音楽に親しみました。若くしてモンポウと出会い、その影響でパリへ渡り作曲家を志します。彼の音楽はフランス的な明快さを持ち、ロマン主義やワーグナー的情念を排し古典的な均衡と美を追求したもの。簡潔で親密な作風は高く評価されましたが、やがて家庭の事情でバルセロナに戻り、カタルーニャの伝統を取り入れた作品を多く残しました。彼の歌曲はどれもカタルーニャの詩人の詩を通じて、民謡風の親密な世界を描き出しており、これらは、フランコ独裁政権下で抑圧されたカタルーニャ文化への愛情と自由への希求を映し出すとともに、メランコリックな響きも感じられます。
(ナクソス・ジャパン)

ガエターノ・ドニゼッティ(1797-1848):歌劇《大洪水》(1830年版)(2枚組)
リッカルド・フリッツァ(指揮)ドニゼッティ歌劇場管弦楽団

ドニゼッティのオペラ《大洪水》は、旧約聖書の「ノアの方舟」やバイロン、ムーアらの文学作品に着想を得て1830年に書かれた作曲家唯一の聖書を題材とした作品。ノアとその家族、彼らの葛藤、そして迫り来る大洪水の破滅が描かれています。ナポリでの初演は失敗に終わり、その後改訂版が1834年に上演されたものの、長らく忘れられていました。2023年、ベルガモのドニゼッティ音楽祭がこの作品のナポリ初演版を蘇演。上演時には現代的な環境テーマを反映した演出が大きな話題となりました。ノア役にナウエル・ディ・ピエロ、セラ役にジュリアーナ・ジャンファルドーニ、カドモ役にエネア・スカーラなど実力派が出演。音楽監督リッカルド・フリッツァが指揮を務め、作品に新たな光を当てています。
(ナクソス・ジャパン)

ザ・ミュージック・ネヴァー・エンズ - レノン、マッカートニー、ルグラン、エリントン他の作品を合唱で
ヴァサーリ・シンガーズ、ジェレミー・バックハウス(指揮)

「声のオーケストラ」と呼べそうなほど多彩な表現法を開拓したヴォーカル・アンサンブル、スウィングル・シンガーズの系譜に連なるヴァサーリ・シンガーズが名旋律の数々を披露する贅沢なアルバム。冒頭では、ジョナサン・ラスボーン編曲による伝承曲やフォーク風の曲が取り上げられ、声で楽器を模倣するユニークなアレンジが印象的です。続くセクションではビートルズの名曲を中心とした作品群が、1999年にスウィングル・シンガーズのために書かれたラスボーンの編曲で披露されます。さらに、ミシェル・ルグランの作品や、ケヴィン・オルソンによるラテン音楽風のソネット、そしてジョージ・シアリングによるシェイクスピアのソネットにジャズ風の音楽を付けた作品が続きます。終盤では、ワード・スウィングル編曲によるソンドハイムの名作が情感豊かに歌われ、最後はデューク・エリントンの「スウィングしなけりゃ意味がない」で、エネルギッシュかつ鮮やかに締めくくられます。
(ナクソス・ジャパン)

2025年6月発売タイトル




カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2025年06月12日 16:30

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